ライプニッツ係数

ライプニッツ係数とは、逸失利益を算定する場合に使用する数値であり、就労可能年数(死亡事故)や労働能力喪失期間(傷害事故)に応じた数値のことをいいます。

具体的には、以下の表のとおりです。

労働能力
喪失期間(年)
ライプニッツ係数 労働能力
喪失期間(年)
ライプニッツ係数 労働能力
喪失期間(年)
ライプニッツ係数
1 0.9524 24 13.7986 47 17.9810
2 1.8594 25 14.0939 48 18.0772
3 2.7232 26 14.3752 49 18.1687
4 3.5460 27 14.6430 50 18.2559
5 4.3295 28 14.8981 51 18.3390
6 5.0757 29 15.1411 52 18.4181
7 5.7864 30 15.3725 53 18.4934
8 6.4632 31 15.5928 54 18.5651
9 7.1078 32 15.8027 55 18.6335
10 7.7217 33 16.0025 56 18.6985
11 8.3064 34 16.1929 57 18.7605
12 8.8633 35 16.3742 58 18.8195
13 9.3936 36 16.5469 59 18.8758
14 9.8986 37 16.7113 60 18.9293
15 10.3797 38 16.8679 61 18.9803
16 10.8378 39 17.0170 62 19.0288
17 11.2741 40 17.1591 63 19.0751
18 11.6896 41 17.2944 64 19.1191
19 12.0853 42 17.4232 65 19.1611
20 12.4622 43 17.5459 66 19.2010
21 12.8212 44 17.6628 67 19.2391
22 13.1630 45 17.7741 68 19.2753
23 13.4886 46 17.8801 69 19.3098

なぜ、このライプニッツ係数が問題になるのかというと、逸失利益の損害賠償は事故後に一括で支払われるところ、事故がなければ毎月の給与として支払われるはずのものが補填されるものであるため、同じ金額になるのであれば一括で支払われる方が毎月支払われるより経済的に得をしていることになるからなのです。

例えば、毎月30万円(1年360万円)が30年間継続して合計1億800万円支払われる場合と一括ですぐに1億800万円が支払われる場合とで比較すると、後者の場合に支払後すぐに銀行へ預金した方が前者の場合より、もらえる利息が多くなるのは明らかです。

最近は預金の利息がとても低いのでピンとこないですが、利息が年4%であれば、その違いはとても大きいです(一括の場合、最初の1年間で432万円の利息がつきますが、分割の場合、最初の1年間では7万円位の利息にしかなりません。)。

そこで、その差をなくすために考えられた計算式がライプニッツ係数なのです。これを法的には、中間利息控除といいます。

そして、このライプニッツ係数は、実は、年利5%を前提に作られています。今時、年利5%の利息がもらえる預金はないと思いますが、最高裁で年利5%を前提としたライプニッツ係数を用いることを認める判決が出たため、実務上の運用が確定しています。